バフェット氏、米国株に積極姿勢 GM株取得
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の株式を新たに取得したことが15日分かった。小売り大手ウォルマート・ストアーズやIT(情報技術)のIBM株も買い増した。欧州不安がくすぶる中、バフェット氏の「米国依存」が鮮明になっている。
バークシャーが同日、米証券取引委員会(<TERM id="DGXBZO0419214017032010I20000">SEC</TERM>)に提出した3月末時点の保有株状況で明らかにした。GM株は1000万株を保有しており、直近の株価で計算すると約2億2000万ドル(約176億円)に相当する。
中国の自動車・電池大手の比亜迪(BYD)の保有実績はあるが、自動車メーカーへの投資は極めて珍しい。北米や中国など主要市場で販売を拡大するGMの企業価値を評価し、投資を始めたとみられる。
バークシャーの株式の保有残高は3月末で約753億ドルと、昨年12月末より約14%増えた。バフェット氏は5月の<TERM id="DGXBZO0419574017032010I20000">株主総会</TERM>で「米国ほどチャンスにあふれた場所はない」と明るい展望を語った。債務問題が深刻になる欧州では金融株などへの投資を見合わせる一方、米国については投資をさらに積極化している格好だ。
1~3月期は米金融機関の「勝ち組」とされるウェルズ・ファーゴの株式も買い増した。一方で業績拡大に陰りが出ている日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や半導体のインテル株は一部を手放した。米国株に強気の見通しを示しつつ、保有銘柄の見直しに取り組んでいるのがわかる。(ニューヨーク=川上穣)
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイの投資動向や解説、同氏に学ぶ投資術に関する記事をまとめました。
ウォーレン・バフェット氏(Warren Buffett) 1930年、米中西部ネブラスカ州のオマハに生まれる。6歳からガムを売り歩き、11歳で株式投資を始めた。「割安株投資の父」ベンジャミン・グレアム氏に感化されて投資家の道を志す。1965年に繊維会社だったバークシャー・ハザウェイの経営権を握り、同社を母体に投資や事業投資を展開して財を築いた。優良銘柄を本質的価値より低い価格で買う投資スタイルで知られ、「オマハの賢人」との異名を持つ。大富豪ながら質素な生活で知られ、コーラとハンバーガーを好む。