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曇りでもあきらめない 段ボールや手鏡でも楽しめる金環日食

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 いよいよ金環日食直前。当日、見逃さないためにも、あらかじめ観測方法や観測場所を抑えておく必要があります。観測する上での注意点やポイント、さらにあっと驚く道具を使った曇り空だった場合の観測方法について、国立天文台天文情報センターの山田陽志郎さんに聞きました。

下敷き、すすガラスもNG、直視する場合は観察用製品を

太陽の光はまぶしい、目に有害な波長の光が含まれているから肉眼で直視してはいけないことはみなさんよく知っていると思います。では、サングラスや黒い下敷き、黒く感光したフィルム、すすガラス、黒いごみ袋などを使えば平気なのでしょうか?

答えはNOです。観察用に作られた製品を除いて、光の遮断が不十分で光を通してしまうからです。以前はすすガラスや濃い色の下敷きが部分日食の観察方法として紹介されたこともありましたが、現在は危険な方法だと考えられています。目ではまぶしさを感じなくても、赤外線が強いまま目に達して網膜を焼いてしまうことがあります。

「金環日食になっても太陽の光は強烈で、ちらちら見るのも危険。直接見ると目を傷めてしまいます。日食のときに網膜を傷める事故が起こるので、『日食網膜症』という言葉があるほどです。100年前のパリ近郊で、黒色ガラスを使って観測していると見られる写真が残っています。同じ日食が見られたドイツでは、3500件の日食網膜症が報告されています」(国立天文台天文情報センターの山田陽志郎さん)。また、望遠鏡や双眼鏡は、太陽の光や熱を集めて強くするため、肉眼で見る以上に危ないので絶対にしないようにしましょう。

観測で一番ポピュラーなのは、「日食メガネ」。誤って太陽を直視しないように、下を向いてメガネの黒いフィルター部分を目に当てた上で太陽を見ます。メガネを目から外すときも、下を向いてから外すようにしましょう。

日食メガネは一部粗悪品が出回っているため、メーカーが安全性を保証している製品を選ぶことが必要です。特に海外製のものは、ヨーロッパの安全規格に合格したことを示す「CE」の文字が入ったものを選ぶといいでしょう。

家にある段ボールで簡単に作れる観測アイテム

山田さんがお勧めする観測アイテムは、身の回りにあるものを使って簡単に作ることができる「ピンホール・ビュワー」。

まず、紙や段ボールなどで長い筒を作ります。筒の一方の先端には1~2ミリ程度の穴をいくつか開けたアルミ箔を貼り(直接段ボールに穴を開けても大丈夫。穴の列で文字を作る場合には、アルミ箔のほうが開けやすい)、反対側(底面)には白い紙を貼ります。

次に底面の少し上のあたりの筒を切り取り、のぞき窓を作ります。影を見ながら筒を太陽に向けると、底面に太陽の像が映ります。「小さくても欠けている様子がはっきりわかるし、目にも安全です」(山田さん)。太陽像の直径は、筒の長さの約100分の1。長さ50cmの筒なら5mm、1メートルなら1cmの太陽像ができます。

もし曇り空だったら…100円ショップの老眼鏡ガラスが大活躍!

当然といえば当然ですが、金環日食は太陽に曇がかかってしまうと見えません。ただし、薄曇り程度であれば日食メガネでは見えない場合でも観測できる、とっておきの方法があります。

それは、ピンホール・ビュワーのアルミ箔の換わりにガラスレンズを貼りつけるだけというシンプルなもの。100円ショップで売っている、度数「+1」の老眼鏡のガラスレンズを使います。「レンズだとピンホールよりも光をたくさん取り込めるので明るく、太陽の前を通過する雲もよく映ります。晴れていて明るすぎる場合は、手のひらでレンズを覆うなどして光の量を調整してください」(山田さん)。

日食メガネしか持っていなくて、雲がかかって見えなかったという悔しい思いをしないためにも、このピンホール・ビュワーは作っておくのがベスト。材料費は安いし、作るのも簡単。ピントをしっかり合わせれば、6月6日の金星の太陽面通過の金星のシルエットもなんとなく分かるかもしれません。

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「こんなに大きな段ボールが家にない!」という人は…

最低限必要なのは、アルミ箔や眼鏡ガラスを貼る面と底面(白い紙)のみ。筒部分は「あると影になってはっきりとした太陽像を観察しやすいのですが、なくても見ることはできます」(山田さん)※子どもがいる家庭では、好奇心の強い子どもがうっかりピンホールやレンズをのぞかないよう、筒にしてのぞき窓を開けたほうが安全です。

壁面に五輪マーク、木漏れ日、高層ビルから見下ろすなど…楽しみ方はいろいろ

「観測方法は、まだまだあります。」と山田さん。鏡に反射した太陽光を壁面に映す「鏡反射法」です。直径5cmの鏡を使った場合、太陽の反射光は20m先の壁面できれいな円形となります。これより小さな鏡を使う場合は壁面までの距離はより短く、逆に大きな鏡を使うとより長い距離が必要ということです。あまり大きな鏡を使うと、壁面までの距離がとれるような開けた場所を探さなければなりません。人の顔を照らさないよう、くれぐれも注意してください。

単に丸い太陽像を映しだすだけでは芸がない、という人に挑戦してもらいたいのは、記号や文字に見えるように太陽像を映しだすという上級テクニック。たとえば、今年2012年はオリンピックイヤ―。オリンピックにちなんで五輪マークを鏡に貼りつけて、太陽光を反射させれば壁面に五輪マークが浮かび上がります。

鏡の反射の原理は、街中でも見ることができます。高層ビルやマンションの東側の窓から地上を見下ろした場合、太陽光がたくさんの窓に反射して地上や向かいのビルに、大きな欠けた太陽像がいくつもできているかもしれません。ぜひチェックしてみてください。

ピンホールカメラの原理を利用し、太陽光が穴を通って影の中に欠けた太陽像を映すという手法もあります。自然現象としてあるのは木漏れ日。樹木の葉のすきまから漏れる太陽光が地面に太陽像をつくります。「古代ギリシャの哲学者・アリストテレスの時代には、木漏れ日を利用して日食を観測していたといいます」と山田さん。紀元前のこの時代には日食の原理や発生時期がある程度予測できていたんですね、驚きです。

そのほか、光を通さない薄い紙に小さな穴をたくさん開けて文字を映し出す、麦わら帽子の小さな隙間を利用するなどしても楽しめます。本格的に観測したいならば、天体望遠鏡に太陽用減光フィルターを付けたり、太陽専用の望遠鏡を使ったりしましょう。なお、日食を撮影する場合も減光フィルターが必要です。

 ※注意点 「最初は地面に映る望遠鏡の影を見ながら、影が最も小さくなるようにして望遠鏡を太陽に向けること。決して望遠鏡はのぞかないようにしましょう。市販の天体望遠鏡で投影法を行う場合、取扱説明書をよく読んでおく。投影法に向かない機種もある。熱に弱い部品を使っている場合には 望遠鏡を損傷する心配もあります。不明な点はメーカーに問い合わせを。ファインダーの付いている機種では、うっかりのぞかないよう、ファインダーは外しておきましょう」(山田さん)

当日になって慌てないためには、事前に観測場所をリサーチしておくことも必要です。今回は朝、東の空に見ることができるので、前日までに同じ時刻にどこに太陽があるのかを確認しておきましょう。金環日食を見るためのアプリ「金環アプリ2012」はiPhoneを空にかざすだけで、その位置で当日見ることができる食の最大時刻や欠け具合などが分かるので、事前に観測場所をチェックするのに便利です。

当日は外に出られず、観測ができないという人には、国立天文台のホームページで行われるライブ中継がオススメです。

 国立天文台 ライブ中継
●Hα線 http://www.ustream.tv/channel/naojsun1
●白色光 http://www.ustream.tv/channel/naojsun2
 5月18~20日の晴天時には、9時から16時半頃まで太陽画像を配信予定(6月6日の金星の太陽面通過時も中継予定)。

この人に聞きました

山田陽志郎(やまだ・ようしろう)さん
1954年、東京生まれ。東京学芸大学大学院修士課程修了(天文学/理科教育)。東京都杉並区立科学教育センター(現・杉並区立科学館)、および横浜こども科学館にて天文を担当。現在、国立天文台天文情報センター勤務。著書・翻訳書に『宇宙切手図鑑』(ニューサイエンス社、共著)、『工作による天体観測』(共立出版、共著)、『イクス宇宙図鑑』3巻、4巻(国土社)、『おもしろ科学史ライブラリー(宇宙)』全5巻(あかね書房)、『宇宙のなぜ? どうして? 1巻,2巻,4巻』(あかね書房)、『天文小辞典』(地人書館、共訳)、「科学小説 月からの手紙」(上・下)(プルメリア選書)、『宇宙開発(天文・宇宙の科学)』(大日本図書)など。

(ライター 藤井弘子)

[nikkei WOMAN Online 2012年5月18日掲載]

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