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中国ネットメディアと政府、世論工作の実態

秘密会合の議事録が明らかに

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今年3月に失脚した中国の有力政治家、薄熙来氏の暴力団一掃運動に立ち向かって逮捕された元弁護士、李荘氏の裁判を巡る重慶市政府幹部と地元のメディア担当者の秘密会合の議事録がこのほど明らかになった。政府がネットメディアと協力して世論を誘導するとともに、金銭も提供している実態が白日の下にさらされた。

議事録を詳しく見る前に、まず裁判について説明しよう。薄氏は2007年に重慶市トップに就くと、暴力団一掃運動を展開。多くの地元企業家を逮捕した。その1人の弁護を引き受けて冤罪(えんざい)を主張したのが李荘氏だ。しかし、李荘氏自身も偽証罪で逮捕されてしまう。

09年12月30日に重慶市の地裁で李氏の裁判が始まったが、李氏は著名政治家、彭真の息子が運営する法律事務所に参画し、親族が公安幹部を務める人物。海外メディアともパイプがあることから、重慶市側は世論を有利に誘導するために、2日前の28日午後に秘密会合を開いた。

出席者は重慶市政府幹部、新華社系の新華網重慶版、人民日報系の人民網重慶版、騰訊控股(テンセント)系の大渝網、重慶市政府系の華竜網などネット大手幹部らで、主なやりとりは以下の通り。

市幹部:集まったネットメディア幹部に重要な任務を与える。すでに公安、検察、司法とは協力体制が構築できた。李氏の裁判は今年最重要の案件であるため、全力で力を合わせて世論を我々に有利なように誘導していく。そのために、現場に記者を送り込めるようにするので、必ず最初に原稿をアップしなさい。

市幹部:(ミニブログの)コメント欄にも力を入れてほしい。専門家の名簿を渡すので、大量にコメントを出しなさい。我々が必要とするコメントは削除しないで残すことを保障する。海外メディアの報道は31日か1日に遅れる見通しのため、機先を制して有利な状況を作ろう。我々と異なる意見がコメントに出れば、すぐに削除するので我々に知らせてほしい。

市幹部:皆さんのようなサイト管理者や著名ブロガーは、多くのフォロワーを抱えているので、ネット上に都合の良い流れを作り出してほしい。すでに(社会や政治問題を多く伝えるサイトの)『天涯社区』や『凱迪』とは連絡済みだ。(中国最大規模の交流サイトで大渝網の)『QQ空間』も使って成果をあげてほしい。

市幹部:地区ごとにコメントを集計分析するので、(もし我々にとって不利なコメントが多ければ)我々は力を入れるし、公安、検察、司法も要員を投入して、我々に不利なコメントを消去する。

新華網:我々は評論やコメントで主要な役割を果たすので、出席者でその分野に強い人は電話番号を教えてほしい。我々はまず(意見が異なる)弁護士の声を封じ、今回の出席者のペンで勢いをつけよう。

出席者(所属不明):一般庶民の暴力団一掃運動を支持する発言を取り上げることが望ましい。さらに大学などの識者コメントも必要だ。

人民網:最近は都合の悪いコメントが多くなっており、今日もたくさんのコメントや書き込みを削除した。

出席者(所属不明):この会合のことは秘密にするように。我々には(コメントなどの)書き手が多くいるが、実弾(資金)がもっと必要だ。ネット側か政府財政部門からの資金を求めたい。

   ◇         ◇   

主なやりとりは以上だが、日本の読者はきっと驚くだろう。市政府が警察、検察、司法と一体となってネット世論の規制に乗り出していることだけでなく、ネット大手とも協力して世論の誘導を進めているのだ。

李氏は最終的に1年半の懲役刑となり、11年6月に出所した。李氏は秘密会合について、「中国政府幹部は『寛容の態度で新メディアに臨み、その能力を高めていきなさい』と話しているが、重慶のように表ざたにできないようなネット管理をすべきではない」と指摘する。

ただ、重慶市政府がこのような秘密会合を開くのは、政府によるネット世論の管理が完全にはできていないからでもある。政府側はミニブログなどに政府寄りのコメントなどを書き込む要員「五毛党」を抱えていることを確認できたが、中国には民主化を求めてミニブログなどに書き込む「美分党」もいる。

中国当局はこれまで新聞、テレビ、雑誌を管理することで世論を誘導してきたが、ネットの台頭で状況は一変。市民一人ひとりが情報を発信するようになり、当局による管理は難しくなったのは事実。中国のネットの動向に注目が集まる。

(重慶=多部田俊輔)

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