東電、家庭向け値上げ延期 8月以降に
有識者委、検証に時間
東京電力による家庭向け電気料金の引き上げが当初予定の7月1日からずれ込む見通しになった。値上げの妥当性を審査する経済産業省の有識者会議が時間をかけて慎重に検証するためだ。値上げ時期は8月以降にずれ込む可能性があり、東電の収益を圧迫しそうだ。
東電は家庭向けなど「規制部門」の電気料金を平均10.28%引き上げることを経産省に申請した。原子力発電所の停止に伴う火力発電所の運転増強で燃料費が増えているため、電気料金に転嫁する。
経産省の「電気料金審査専門委員会」(委員長・安念潤司中大教授)は人件費など個別の経費項目ごとに電気料金への転嫁が適切かどうかを査定している。委員の一人は「最短でも6月末までは議論する必要がある」との考えを示している。経産省は有識者会議の査定方針を踏まえて値上げを認可する。認可後は契約者への周知期間を10日間以上設ける必要がある。
消費者庁も値上げ認可に関する直接の権限はないが、東電の合理化努力を厳しく見極める姿勢を示している。
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