婚外子区別、違憲の疑い 戸籍法巡り東京地裁判決
出生届で嫡出子か非嫡出子(婚外子)かの区別を義務付けた戸籍法の規定の適否が争われた訴訟の判決で東京地裁の川神裕裁判長は26日、「規定は差別を助長するとの見方があり、撤廃しないことには憲法上の疑義がある」との判断を示した。
この訴訟は、世田谷区に住む事実婚の介護福祉士、菅原和之さん(47)夫婦と次女(7)が、続柄区別を記載しない出生届を受理されなかったのを不服として提訴。川神裁判長は「撤廃しなかったことが、ただちに違法とは評価されない」として国家賠償の請求自体は退け、原告敗訴を言い渡した。
判決は、戸籍法の規定について「出生届に非嫡出子かどうかの別を表示する必要性は高くなく、記載義務付けが合理的とは言い切れない」と指摘。親の婚姻の有無で子どもの法定相続を区分する民法の規定も「子どもが自分の意思や努力で変えられない事柄に基づいており、違憲の疑いが生じている」と言及した。
判決などによると、夫婦は2005年、次女の出生届の「続柄」欄に「嫡出でない子」とチェックを入れずに提出しようとしたが、世田谷区は受理しなかった。その後、次女の住民票の作成も求めたが、戸籍がないことから拒否された。〔共同〕