JT社長に小泉氏 会長・社長ともに生え抜きに
日本たばこ産業(JT)は22日、小泉光臣副社長(55)が6月下旬に社長に昇格する人事を固めた。木村宏社長(58)は代表権のない会長に就き、財務省出身の涌井洋治会長(70)は退任する。会長と社長の両ポストが生え抜きになるのは、1985年に日本専売公社から民営化して初めて。政府は現在JT株の半分を持つが、今年度内にも3分の1までに引き下げる方針で、人事面でも国の関与が薄まる。
小泉氏は現在、国内外のたばこ事業を統括し、これまでも同事業の中枢を歩んできた。JTの商品出荷が制限された東日本大震災以降、フィリップ・モリスなど世界大手が再び日本市場に攻勢を強めている。JTはアジアなどの新興国を中心としたタバコ会社のM&A(合併・買収)を軸に海外事業を加速する一方、小泉氏の起用で国内市場のてこ入れも進める。
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小泉 光臣氏(こいずみ・みつおみ)81年(昭56年)東大経卒、日本専売公社(現JT入社)。07年取締役、09年副社長。神奈川県出身。
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