大飯原発再稼働、京都・滋賀両知事が難色
経済産業省原子力安全・保安院は29日、関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)のストレステスト(耐性調査)の安全審査結果について、京都府の山田啓二知事と滋賀県の嘉田由紀子知事に説明した。両知事は現段階では安全性が確認できないなどとし、原発再稼働に否定的な見解を示した。原発が立地していない自治体への保安院による説明は初。
山田知事はストレステストについて「安全性を総合的に評価するのに十分とは言えない」と指摘。嘉田知事は「原発事故の原因が究明されていないのに対策がとれるのか」と再稼働に慎重な姿勢を示し、4月にも大飯原発を視察したいとの意向を保安院に伝えた。
原発再稼働を巡っては、地元に加え、近隣自治体の理解取り付けも重い課題になりつつある。藤村修官房長官は29日午後の記者会見で、大飯原発から30キロメートル圏内に一部地域が含まれる京都・滋賀両府県の意向を「政治判断に意見として当然勘案していく」と述べるとともに、「安全性に懸念を持つ自治体に今後も説明していく」と強調した。
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