味の素など食品3社、包装材を海外調達 コスト1~2割減
味の素、江崎グリコ、ハウス食品の食品3社は27日、海外製の包装材を共同調達すると発表した。まず2012年度から、まとまった数の商品を入れる中箱用に韓国の製紙会社から輸入、13年度までに対象を個々の商品箱にも広げる。海外製は国内製より1~2割安い。各社は海外製の利用拡大でコストを削減するとともに、調達量をまとめることで品質確保にもつなげる。
共同調達するのは片面が白くもう片面がねずみ色の板紙で、「コートボール」と呼ぶ。まず各社の調味料や菓子の一部商品で、スーパーなどに納入する際の中箱に使い始める。品質をチェックしながら、パッケージ印刷の色映えなどがより重要になる商品箱にも順次利用するという。
味の素によると、国内製のコートボールは古紙や原油の価格上昇により直近5年間で約2割値上がりした。従来も各社が個別に一部輸入してきたが、共同調達の枠組みを生かして拡大する。
11年度の3社合計の海外調達比率は重量ベースで約4%だが、将来は30%に高める。調達先も品質改善に対応できる製紙会社なら韓国以外にも広げ、他の包装材を対象に加えることも検討する。
味の素とハウスはかねて市場動向などを情報交換し、ハウスとグリコも同様に情報交換などでつながりがあった。コートボールの調達が各社共通の課題に浮上したため、手を組んだ。
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