出光興産、イエローハットに5%出資 500店舗でカー用品販売
出光興産は3日、カー用品販売大手のイエローハットに5%出資すると発表した。3年後をめどに、同社が扱うタイヤなどを出光系列のガソリンスタンド500店で販売する。カー用品大手と組むことで仕入れ費用を抑えるほか、販売品目を4倍の4万点に増やす。ガソリン需要の減少傾向が続くなか、カー用品事業の強化でスタンドの経営を安定させる狙い。
出光は4日付で、イエローハット創業家の資産管理会社や個人株主から124万8100株を取得する。取得額は約17億円で、第2位株主となる。イエローハットから出光への出資はしない。
出光は従来も一部のスタンドでカー用品を販売していたが、品ぞろえが少なく価格も高いため、売り上げは低迷していた。今後はイエローハットがプライベートブランド(PB=自主企画)で展開する安価なタイヤやバッテリーなどを扱う。
2012年度に関東の4店舗で試験的に販売し、3年で全国500店舗まで広げる。イエローハットの店舗網は530店舗あるが、車好きの顧客が多いためガソリンスタンドでのカー用品販売とは競合しないとみている。今後は両社の顧客に対して、ガソリンの割引権を提供するといったことも検討する。
国内のガソリンスタンドは11年3月時点で約3万8800店と、00年から3割減った。出光は約4000店の系列スタンドを抱えている。