トルコ原発、カナダも参入「6カ月で結論」
日中韓と受注競う
【イスタンブール=花房良祐】トルコのユルドゥズ・エネルギー天然資源相は20日、同国が進める黒海沿岸シノプの原子力発電所の建設計画について、カナダの原子力大手キャンドゥ・エナジーと交渉を始めたと話した。「6カ月以内に結論を出す」と言及。これまで受注を目指してきた日中韓にカナダが加わり、トルコの原発を巡る受注レースは一層混沌としてきた。
キャンドゥ社とトルコ国営電力会社は同日、イスタンブールで事業化調査(FS)の協力の覚書に調印。式典に立ち会ったユルドゥズ氏は「(日中韓とカナダの)4カ国と同時に交渉する。日中韓との協議は2カ月(が期限)だ」と言明した。「これで原発を誰が建設するかという結果を得られる」とも話した。
キャンドゥ関係者は同日、現地メディアに対し、出力86万キロワットの原子炉が4基で、事業費は150億~200億ドル程度になると話した。また中国企業と共同で建設を手掛ける可能性にも言及した。
カナダ勢は重水炉の「キャンドゥ炉」を手掛け、発電量は国内電力需要の16%を占める。ルーマニアなど海外でも実績があり、ヨルダンの原発計画では日仏連合とカナダ勢などが受注を争う展開となっている。