震災の震源、週内にも海底掘削調査 海洋機構
海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」が東日本大震災をもたらした巨大地震のメカニズムを探るため、震源掘削に向けた準備を進めている。地震後間もないプレート(岩板)境界の断層を掘り抜く世界で初めての試み。調査は今週にも始まる見通しで、5月24日まで続く。
掘り進めるドリルパイプの設置準備をほぼ終えた。研究チームを率いるジェームズ・モリ京都大学教授は「この地震で実際に何が起きたかを突き止めて社会に説明する責任がある」と語った。
掘削地点は日本海溝付近で、海底が大きくずれて津波を巨大化させたと考えられる領域。掘削は2カ所。最初の穴には温度計を設置し、断層のずれで生じた摩擦熱を推定して地震で解放されたエネルギーを試算する。近くに別の穴を掘って地層を採取し、摩擦熱で変化した断層面の岩石を調べる。