小笠原、樹木112本折られる 環境省が刑事告発
世界自然遺産に登録されている小笠原諸島(東京都小笠原村)の母島で絶滅危惧種を含む樹木の枝が大量に折られていたことが分かり、環境省は23日、自然公園法違反の疑いで容疑者不詳のまま警視庁小笠原署に刑事告発した。林野庁も同日、無許可で保安林を損傷したとして森林法違反の疑いで捜査に乗り出した。
環境省などによると、国立公園の特別保護地区に指定されている乳房山の登山道沿いの樹木112本の枝で計168カ所が折られたり、傷を付けられたりしていた。島の固有種で絶滅危惧種のハハジマノボタン14本やワダンノキ3本も含まれていた。現場付近は保安林にも指定されている。
3日午前10時ごろに地元の自然ガイドが見つけて地元の観光協会に通報。同日早朝には被害がなかったという。
母島にはサルやクマは生息しておらず、登山者がわざと折った可能性が高い。頂上付近で被害が目立ち、見通しを良くするために折ったか悪質ないたずらとみられる。
登山道を管理する東京都は再発防止のため注意喚起のポスターを設置し、自然保護員のパトロールも強化している。〔共同〕