マリでクーデターか 反乱軍「権力を掌握」
【ナイロビ=共同】西アフリカ・マリで22日、反乱軍部隊がトゥーレ体制を終結させて国家権力を掌握したと国営テレビで表明した。ロイター通信などが伝えた。クーデターを起こした部隊は首都バマコの大統領府を支配下に置き、複数の閣僚を拘束、憲法の停止も明言した。
現地からの報道では、トゥーレ大統領は大統領府を脱出して無事という。在マリ日本大使館によると、同国の在留邦人は54人。日本人が被害に遭ったとの情報はない。
マリ北部では1月に遊牧民トゥアレグ人の反政府勢力が武装蜂起。反乱部隊は国営テレビで、反政府勢力との戦闘を終わらせることができないとして、トゥーレ政権を「無能」と批判。国家機関を解体し、今後、民主的に選ばれた新政権に権力を移譲する方針を示した。外出禁止令を出し、国境の閉鎖も宣言した。
軍部内では武器が不足しているとの不満が高まっており、21日にバマコ郊外の軍キャンプを国防相が訪問後、反乱が始まったという。大統領府では激しい銃撃戦が起き、バマコでは22日も銃声が散発的に続いた。
マリでは4月29日に大統領選が予定されていた。トゥーレ氏は不出馬を表明していた。