金融庁、AIJの登録取り消し 金融相「極めて遺憾」
金融庁は23日午前、約2000億円の年金資産の大半を消失させたAIJ投資顧問の業者登録を取り消した。AIJの投資信託を販売していたアイティーエム証券は6カ月間の業務停止処分とした。長期にわたって高い運用収益を上げているとの虚偽の情報を顧客に与え、勧誘したことなどが金融商品取引法に違反する行為だと判断した。
同日の行政処分は2社を検査してきた証券取引等監視委員会による処分勧告を受けた措置。金融庁は両社に企業年金など顧客資産の保全を求める業務改善命令も出した。
自見庄三郎金融担当相は23日の閣議後の記者会見でAIJへの行政処分について「極めて遺憾だ」と語ったうえで「あらゆる選択肢を排除せずに、関係省庁と連携し、総力を挙げて再発防止に努める」と強調した。監視委による強制調査に関しては「さらなる実態解明が進むことを期待している」と述べた。
監視委はAIJとアイティーエム証券の検査に1月下旬に着手。2月中旬には、94の企業年金、企業、学校法人から預かった資金の9割超が失われている事実を把握した。監視委が検査で確認できたのは約40億円の現預金などにとどまっている。