厳冬の原因、ラニーニャだけじゃない 気象庁分析
北大西洋の海水温やロシア北西の海氷
気象庁は27日、今冬(2011年12月~12年2月)の厳寒と大雪について、南米ペルー沖の海面水温が下がり異常気象の原因となる「ラニーニャ現象」に加えて、北大西洋の海水温の高さと、ロシア北西海上の海氷が例年より少なかったことが影響したとの見解をまとめた。同日開かれた異常気象分析検討会の定例会で公表した。
同庁によると、この冬は、ラニーニャ現象の影響で北緯30度付近を流れる「亜熱帯ジェット気流」が蛇行し、寒気が南下しやすかった。さらに、北大西洋熱帯域では、海水温が高く、対流活動が活発になり、中緯度帯を流れる「寒帯前線ジェット気流」も蛇行、日本付近に寒気をもたらした。ロシア北西の海上では海氷が少なく、海水が蒸発して対流活動が活発になり、南側のシベリア高気圧も強まって西高東低の気圧配置が強まったことが寒さの要因とした。
同検討会会長の木本昌秀東大教授は「30年に一度という異常気象とは言えないが、気温も積雪も平成18年豪雪に次ぐ寒冬だった」と述べた。
この冬は北―西日本で低温となり、日本海側では多くの地点で最深積雪が平年を上回った。1月後半から2月前半には、中央アジアからヨーロッパにかけても顕著な寒波に見舞われた。