禁煙・運動…健康習慣多いほど「がんリスク」低下
国立がん研究センター
禁煙や節酒、運動など、がん予防に重要といわれる5つの健康的な生活習慣を実践するほど、がんを発症するリスクが下がるとする研究成果を国立がん研究センターがまとめ、5日発表した。実践する習慣が1つ増えるごとに、男性で平均14%、女性は同9%ずつリスクが下がるという。「高齢者でも改善すればリスクは減るので、今の生活を見直して予防に努めてほしい」としている。
1995~99年に岩手、長野、沖縄、大阪など9府県に在住していた45~74歳の男女約8万人を対象とし、2006年まで追跡調査。
(1)喫煙の習慣がない(2)日本酒換算で1日1合弱にとどめるなど飲酒し過ぎない(3)タラコなど塩漬けの食品を控える(4)よく歩くなど活発に動く(5)体格指数(BMI)が男性21~27、女性19~25で太り過ぎていない――の5つについて調べた。
これらの習慣に当てはまる数が0~1の人が、がんを発症する危険性を1とした場合、当てはまる数が増えるほどリスクは下がった。2つ実践した場合のリスクは男女とも0.86。5つ全てを実践していると、男性が0.57、女性が0.63まで下がった。
60歳以上に限っても、同様の低下傾向がみられた。日ごろの習慣を改めるのはなかなか難しいが、「1つでもよい方に変えられれば、がんのリスクは確実に低下する」と研究チームは話している。