西日本で電力逼迫 大分で火力発電が一時停止
関電と九電、使用率95%以上
九州電力は3日、新大分発電所(大分市、出力229.5万キロワット)の火力発電全13基が設備トラブルで同日午前4時ごろ緊急停止したと発表した。これにともない関西電力や東京電力など電力6社が合計240万キロワットを緊急融通した。九電は復旧を急いでおり、午前中には全基で運転を再開できる見通し。
九州電力によると緊急停止したのは新大分発電所の13基すべて。寒さにより燃料供給設備の配管が凍結したことが原因。九電管内の午前の電力使用率は96.7%となる見通し。同社は電力の需給状況は厳しいながら、「供給に支障はない」としている。
緊急融通にともない、関電は同日午前9時台と10時台の予想電力使用率(供給力に対する最大需要の割合)がそれぞれ96%、95%になると発表した。関電管内で電力需給の予想が「厳しい」とされる95%以上になるのは今冬初めて。
東電も3日、電力融通を午前7時から午前9時まで最大50万キロワットを九州電力に対して実施した。東電が昨年3月の東日本大震災以降、西日本の電力会社に電力融通を実施したのは初めて。
東電は同日夕方のピーク時供給力を5280万キロワット、最大需要を4800万キロワット(電力使用率90.9%)としており、「午前中の安定供給に支障はない」(同社)としている。