マツダ株が大幅下落 「1000億円規模増資」を嫌気
21日午後の東京株式市場でマツダ株は売り気配で始まり、前日比20円(12%)安の141円で寄り付いた。昼休み時間中に日経ニュースは「総額1700億円規模の資金調達に向け、三井住友銀行など取引先金融機関と最終調整に入った」などと伝えた。銀行から700億円の劣後ローンを取り入れ、1000億円規模の公募増資も組み合わせる案が有力だという。増資に伴い既存株主の持ち分低下懸念から売り注文が膨らんだ。
円相場の対ドル、ユーロでの上昇が続いたことが響き、同社の2012年3月期最終損益は1000億円の赤字と、4期連続で赤字となる見通し。新興国で積極投資するため財務基盤の強化が必要となっているという。
マツダの11年12月末時点の自己資本比率は19.2%と、前年同期から3ポイント低下している。ただ、山内孝社長は2日の11年4~12月期決算発表で「自己資本の増強はマストだと思うが、いまはキャッシュ面で問題なく、銀行との融資枠もある。増資は必要ない」と発言。増資懸念の後退から株価は回復基調にあった。市場では「資金繰り懸念が遠のいたことや、今後新たな一手を打つための投資に活用するという意味ではマイナス評価一辺倒ではない」(独立系運用会社社長)との声も聞かれた。〔日経QUICKニュース〕