アップル、最高益も株価急落 iPad販売数に失望
7~9月70%増益
【シリコンバレー=岡田信行】米アップルが18日発表した2010年7~9月期決算は売上高が前年同期比67%増の203億4300万ドル(約1兆6520億円)、純利益が70%増の43億800万ドル(約3500億円)となり、ともに過去最高を更新した。高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」の販売台数が9割増えるなど各製品の販売が好調で収益を押し上げた。
販売台数はiPhoneが91%増の1410万2000台。パソコン「マック」が27%増の388万5000台。携帯音楽プレーヤー「iPod」が11%減の905万1000台。今春発売の多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」は4~6月期比28%増の418万8000台で、マックを上回った。
電話会見したスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)はiPad対抗製品として米グーグルの基本ソフト(OS)を搭載した端末が競合メーカーから続々登場することに言及。「画面サイズが7インチの端末はユーザーやソフト開発者のことを考えておらず、中途半端だ。『到着時死亡』になるだろう」と語り、「戦略が分裂している」とグーグルの戦略に疑問を呈した。iPadの画面サイズは9.7インチ。
アップルの09年10月~10年9月通期決算は売上高が前年同期比52%増の652億2500万ドル(約5兆3000億円)、純利益が70%増の140億1300万ドル(約1兆1370億円)だった。
決算発表を受けた18日の米株式市場の時間外取引では同社の株価は下げに転じた。前週末比約1%高の318.00ドルで通常取引を終えた後、利益確定売りが出て300ドルを割り込み、一時終値比約8%安まで下げた。iPadの販売台数が市場予想を下回ったことが失望を誘ったとの見方もある。