島根原発再開へ厳しい声 点検漏れで住民説明会
中国電力の島根原発(松江市)で起きた点検漏れ問題で、経済産業省原子力安全・保安院と島根県、松江市は運転再開について住民の意見を聞く説明会を松江市内で開いた。参加者からは「納得できない形で再開してもらっては困る」など厳しい声が相次いだ。
県と市は再開の是非やその判断時期について現状では「白紙」としており今後、議会など関係者らと協議する。
説明会は25~26日、市内の3カ所で開催し約370人が参加した。まず中国電力の山下隆社長らが再発防止策の実施状況を解説して理解を求めた。原子力安全・保安院は安全上の問題はなく防止策も着実に実行されており、停止中の2号機は運転再開を許可したことを説明した。
参加した住民からは「時間をかけて防止策の効果を確認してから再開を考えてほしい」など慎重な判断を求める声が目立った。一方で「原発とは共存共栄したい。一日も早く運転を再開して」という声も出た。
中国電力に対して「社長は責任をとるべきだ」「悪い癖が直っていない」など企業体質を問いただす声も相次いだ。地元自治体には「住民アンケートをとってほしい」との要望も寄せられた。
説明会後、会見した県と市は「判断材料が出そろった。議会とも相談して総合的に判断したい」(松浦正敬市長)などと発言。アンケートを実施する考えはないとした。
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