流出の尖閣ビデオ、海保職員「自分が編集した映像」
尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件を撮影したとみられるビデオ映像がインターネット上に流出した問題で、海上保安庁の調査に石垣海上保安部(沖縄県石垣市)の職員が「自分が編集した映像だと思う」と話していることが6日、同庁への取材でわかった。同庁は映像について「真偽は調査中」と明言を避けてきたが、職員の証言により流出映像が本物であることがほぼ断定された。
また、同保安部のパソコン(PC)に保存された映像が9月7日の事件発生から1カ月以上、担当者以外でも持ち出せる状況だった可能性が高いことも、海保関係者への取材で判明した。
海保関係者によると、衝突事件の映像を含む捜査資料は、漏洩(ろうえい)防止のため他のPCとはネットワークなどでつながっていない端末に蓄積。取り出す際は責任者の許可を得て、職場のUSBメモリーを使い自分のPCに移す決まりがある。ただ、私物のUSBメモリーも使用でき、端末に操作履歴は残るものの個人の特定までは困難という。
この体制は政府が映像の非公開を決め、海保に情報管理徹底を指示した10月中旬まで続いており、海保はこの間に映像の持ち出しが無かったか集中的に調べている。