独与党、原発稼働12年延長方針で合意 野党は反対
【ベルリン=共同】ドイツの連立与党は5日、2020年ごろまでに全原発の運転を停止することを義務づけた「脱原発法」を改正し、国内に17基ある原発の稼働年数を平均で12年間延長する方針で合意した。DPA通信などが伝えた。
メルケル政権は、連立与党が連邦参議院(上院)で過半数に達していないため、連邦議会(下院)だけの可決で済む手続きを検討。これに対して、脱原発推進を図る野党は同日、同政権がこうした強硬策をとった場合には憲法裁判所に提訴するなど強く反対する考えを明らかにした。
同政権は、昨秋の連立発足時に風力など再生可能エネルギーの普及が十分に進むまで原発の稼働年数を延長することで一致。しかし、その期間をめぐり対立、与党内での取りまとめを先送りしていた。
5日のメルケル首相ら与党幹部と環境、経済技術などの関係閣僚による会合では、設置年数が新しい原発は14年の稼働延長、比較的古い原発は8年延長することで合意した。
また同政権は、稼働延長で電力会社の利益が増加するとして、赤字財政の穴埋めのため、2011年から年間23億ユーロ(約2500億円)の新規課税を計画している。