環境省が海洋生物保全戦略案 海域公園を2倍に
環境省は2日までに、海の生態保全の取り組み方を盛り込んだ「海洋生物多様性保全戦略案」をまとめた。生物の産卵・成育の場となる藻場やサンゴ礁、干潟などの保護を拡大するため、国立公園の海域公園地区を2012年度末までに09年初めと比べて2倍に増やす目標を掲げた。
戦略案は18日から名古屋市で開く生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に日本の取り組み方として報告する。海の保護区の数値目標などを取り上げる同会議の議論を踏まえて戦略案を見直し、今年度末に最終案を作成する。
海域公園地区は現在、西表島と石垣島の間に位置する石西礁湖内や吉野熊野の串本などが設定されている。戦略案では、こうした地区を09年初めの2359ヘクタールから12年度末までに約4700ヘクタールに倍増する目標を掲げた。
日本の海域には約3万4千種の海洋生物が確認され、全世界の約15%を占める。豊かな生態系を守ろうと3月に策定した「生物多様性国家戦略2010」に基づき、同省が海洋生物多様性保全戦略の作成を進めている。