仕事でジーンズ「あり」8割 でも着用は2割 ユニクロ調査
ファーストリテイリング傘下のユニクロは19日、職場でジーンズをはくことに対する意識調査の結果を公表した。伊藤忠商事をはじめ大手企業でも脱スーツやスニーカー通勤が推奨され始めるなか、就業時のジーンズ着用に8割弱が「良いと思う」と回答。はくことに憧れを持つ人も多かった。もっとも、実際にはいている人は2割ほど。仕事服のカジュアル化、「ビジカジ(ビジネスカジュアル)」が幅広いビジネスパーソンに広がるにはもう少し時間がかかりそうだ。
ユニクロは26日の「デニムの日」に合わせ、今月7~9日にアンケートを実施し、全国の20~59歳の男女1000人に回答を得た。
就業時にジーンズをはくことについて、各年代ともに75%前後が寛容的と回答。比較的会社の歴史が長く、就業規則が厳しい傾向にある「証券会社・銀行」や「不動産業」などでも約6割が「はいても良いと思う」と答えた。はいて出社したいと思う人も50%弱に達した。
こうした思いとは裏腹に、実態は憧れにとどまっているようだ。アンケートによると、実際にジーンズを職場ではいている人は約24%。多くのビジネスパーソンが断念している格好だ。職場で「禁止されているから」という人は42%いる一方で、「なんとなく」や「着てはいけないような雰囲気がある」が20%前後。「取引先の目が気になるから」も7%あった。「ビジカジ」を支持する一方、世間体を気にして「自主規制」している人も一定数いるようだ。
国内では伊藤忠商事が6月、毎週金曜日にカジュアルな服装を勧める「脱スーツ・デー」を始め、9月からはスニーカーを取り入れた服装を推奨する「スニーカー・デー」も取り入れた。政府でもスポーツ庁が国民の運動不足解消へスニーカー通勤を提唱し、来年3月から本格的に始める予定だ。
スタイリストの久野梨沙氏は「ジーンズは親しみやすさを演出できる」とビジネスシーンでの効用を語る。元来は鉱山労働者の作業着として発明されたというジーンズ。働き方改革やIT(情報技術)の進展に伴い、オフィス外での勤務や、ネット上で完結するビジネスの登場など、人々の勤務形態は大きく変わりつつある。職場での装い方もその流れに沿って変わる、今はその途上にあるのかもしれない。
(原欣宏)