野党共闘は路線に違い 前原氏「見直し」言及 枝野氏「継続」
共産党などとの野党共闘を巡っては、枝野幸男前幹事長と前原誠司元外相の路線の違いが鮮明だ。前原氏は現執行部が進める共産党との選挙協力に否定的だが、枝野氏は継続を主張する。
野党共闘に関し、前原氏は7日の記者会見で「政策理念が一致しない政党と協力すること、連立を組むことは野合でしかない。選挙互助会とみられても仕方ない」と見直しに言及した。共産党などとの選挙協力を重視してきた蓮舫代表ら現執行部の対応が念頭にある。前原氏は以前にも共産党を「シロアリみたいなもの」と批判している。
枝野氏は岡田克也代表時代に共産党との共闘に道筋をつけた。8日の記者会見で「一致できる範囲内でできることをやる」と強調。現執行部の共闘路線を継承する考えを示した。
改憲の姿勢も異なる。枝野氏は改憲論議について「社会保障や経済の方が優先順位が圧倒的に高い」と主張。安倍晋三首相が提案した9条1、2項を残して自衛隊の存在を憲法に明記する改憲案については「集団的自衛権の行使容認を前提とした改正とは徹底的に戦う」と強調した。
前原氏は改憲論議について「堂々とすればいい」と訴える。ただ、かつて9条に関して首相と同じ趣旨の主張をしたこともあるが「憲法改正は最重要な課題だと思っていない」と持論を抑えている。
原発政策を巡っては、前原氏は党が掲げる「2030年代原発ゼロ」の目標を堅持する方針。枝野氏は会見で「年内にも、脱原発をさらに前倒しすべく原発ゼロ法案を取りまとめ、国会提出を目指す」と目標を前倒しする考えを示した。