海水浴客ピークの2割 レジャー多様化、海離れ進む
行楽客の「海離れ」は全国的に進んでいる。日本生産性本部のレジャー白書によると、国内の海水浴客数はピークだった1985年の約3790万人から2015年に約760万人と約5分の1に減少。レジャーが多様化し、1人でできるハイキングやマラソンを楽しむ人も増えた。
日本財団が今年4~5月、全国の15~69歳約1万1600人に実施した意識調査では「海に親しみを感じる」と答えたのが50~60代は4割を超えたのに対し、10~20代は3割弱にとどまるなど若年層ほど海への愛着が薄れており、閉鎖に追い込まれた海水浴場もある。
日本大の畔柳昭雄教授(親水工学)は「体育で水泳授業の回数を減らしたり、やめたりした学校が増え、『海が嫌い』という人が増えた」と分析。さらに東日本大震災の津波の影響で当時、全国的に海水浴客が激減したことが海離れに拍車をかけた可能性を指摘。畔柳教授は「日本は海に囲まれた島国。海離れが進めば、災害や自然破壊などにも関心を持たなくなる」と懸念している。