豊洲地下水、ベンゼン基準の最大100倍 ヒ素・シアンも検出
東京都の豊洲市場(江東区)の土壌汚染対策に関する専門家会議が19日開かれ、地下水モニタリングの再調査結果を公表した。再調査の対象となった29地点のうち、ベンゼンは最大で飲み水の環境基準の100倍を、ヒ素は同3.6倍を検出した。シアンは18地点で検出した。専門家会議は昨秋に稼働した地下水の管理システムで揚水したことで、地下の深い部分にあった汚染物質が移動した可能性があると分析した。
都が1月の専門家会議で公表した9回目の地下水調査では、最大で同79倍のベンゼンを検出するなど、数値が急激に悪化した。1~8回目まではほとんど検出されなかったため、都は9回目結果を「暫定値」と位置付け、専門家会議は再調査で9回目結果を検証した。
再調査は2回に分けて実施。数値の精度を確保するため、4つの検査機関で分析した。再調査結果を9回目結果と比べると、検出濃度が高まった地点と低くなった地点がまざっており、同会議の平田健正座長(放送大学和歌山学習センター所長)は「(地下水の汚染状況は)上がったり下がったりなので、どちらの傾向とも言えない」との見方を示した。