在韓米軍への核再配備を検討 米NSC、大統領に提案
【パームビーチ(米フロリダ州)=永沢毅】米NBCニュースは7日、米国家安全保障会議(NSC)が対北朝鮮政策の見直しの一環で、在韓米軍への核兵器の再配備をトランプ大統領に提案したと報じた。複数の情報機関や軍高官の話として伝えた。北朝鮮の核・ミサイル問題への対応策として検討している。
NSCは北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の体制転換計画も選択肢としてトランプ氏に提案したという。米政府はこのほど対北朝鮮政策の見直しを終え、核の再配備とあわせていずれのシナリオも新たな計画に含まれているという。
核兵器の再配備先としては、ソウル南方にある烏山(オサン)空軍基地が候補に挙がっている。
トランプ氏は6、7両日に中国の習近平国家主席との会談で、北朝鮮への制裁強化を求めた。核再配備は制裁がうまく機能しなかった場合の選択肢として検討しているという。「中国が我々とともに行動しないのなら、米国は単独で対応する用意がある」との考えを伝えた。トランプ政権は核再配備をカードに北朝鮮への影響力を行使するよう中国に圧力をかける狙いもあるとみられる。
在韓米軍に戦術核を再配備するには、NSCの開催などを経て決定する必要があるとみられる。米中首脳会談を受けた中国の対応を見極める必要もある。現時点で配備までの時間は見通せない。
韓国は1991年まで米軍基地などに核兵器が配置されていた。米国は核兵器の所在を確認も否定もしない政策をとっていたため公式には認めていないが、在韓米軍には約1000発の戦術核兵器を配備していたとされる。91年9月にブッシュ米大統領(父、当時)が戦術核の撤収を表明した。