ASEAN、対北朝鮮で強硬意見も 首脳会議
【マニラ=小谷洋司】東南アジア諸国連合(ASEAN)は29日、フィリピンのマニラで首脳会議を開いた。同日朝の北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、強硬意見も出たもよう。会議の議論を踏まえて公表する議長声明に盛り込まれる見通し。
日本経済新聞社がミサイル発射後に入手した声明案は朝鮮半島情勢に「重大な懸念」を表明。「北朝鮮に国連安全保障理事会決議に違反するすべての行為の即時停止」を求めた。
外相声明は軍事圧力を強める米国も念頭に「北朝鮮と全関係国に緊張緩和のための自制」を求め、北朝鮮への一方的な批判を避けた。ミサイル発射を受け、首脳会談では北朝鮮批判を強めた。
フィリピンのドゥテルテ大統領は会議後の記者会見で、朝鮮半島情勢に関し「2つの国がおもちゃで遊んでいるようだ」と北朝鮮と米国を批判。トランプ米大統領と29日夜にも電話協議し、慎重な対応を求める考えだ。
中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題では、声明案は「深刻な懸念に留意する」とした。フィリピンの意向で表現が弱められている。インドネシアなどとの間で最終調整が続いている。