中国自動車大手BYD、欧州でEV拡大 ハンガリーと仏に工場
【広州=中村裕】中国自動車大手の比亜迪(BYD)は欧州で電気自動車(EV)事業を拡大する。すでに環境負荷の小さい車両として、欧州各地で公共交通機関のバス向けの受注が拡大しており、ハンガリーでは4日、新工場を稼働した。さらに欧州2番目となる新工場も仏に建設することを決定し、主力の中国以外の市場でも攻勢を強める。
ハンガリー工場の投資額は2千万ユーロ(約24億円)。EVバスを中心に年間400台を生産する。EVバスへの旺盛な需要を見込み、仏にもこのほど新工場の建設を決定。今後1千万ユーロを投じる計画だ。2018年前半をメドに稼働させ、EVバスを中心に年間200台の生産を予定する。
中国でエコカー販売が首位のBYDは、既存のガソリンエンジン車から、EVバスなど収益性の高い事業へのシフトを強力に進めている。16年12月期の売上高に占めるエコカー事業の割合も34%に達した。海外では、すでに米国とブラジルにEVバスの工場を持つが、欧州でも今後、2拠点体制を確立し、一段と同事業へのシフトを強める考えだ。