NY商品 原油、一時2年半ぶり高値 在庫減や厳冬で買い 金は3カ月ぶり高値
【NQNニューヨーク=森田理恵】29日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の2018年2月物は、前日比0.58ドル高の1バレル60.42ドルで取引を終えた。一時60.51ドルと期近物としては15年6月下旬以来2年半ぶりの高値を付けた。原油需給の引き締まりに期待した買いが優勢だった。
原油先物は昨年末比12.5%高で17年の取引を終えた。29日は前日公表された週間の米在庫統計で原油在庫が市場の予想以上に減ったことが引き続き材料視された。
29日午後に石油サービス会社ベーカー・ヒューズが公表した米国の原油生産向け掘削設備(リグ)の稼働数は2週続けて前週比で横ばいだった。増産ペースが一服するとの見方も需給改善への期待につながった。
米国では厳冬による暖房需要も原油先物の買いを促している。米メディアによると、米北東部の年末年始は同時期として過去2番目の寒さとなる見込み。原油を精製して作るヒーティングオイルは一時1ガロン208.39ドルと、期近物では15年2月下旬以来の高値を付けた。
ロイター通信によると、18年は中国の非国営企業による原油輸入が過去最高に達する見通し。世界最大の消費国で需要がさらに増えるとの思惑も買いにつながった。
ガソリンとヒーティングオイルはそれぞれ9日続伸した。
ニューヨーク金先物相場は7日続伸した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である18年2月物は、前日比12.1ドル高の1トロイオンス1309.3ドルで終えた。一時1309.8ドルと中心限月として9月26日以来3カ月ぶりの高値を付けた。
外国為替市場でドルが主要通貨に対して下落し、ドル建てで取引される金の割高感が薄れた。年末で薄商いのなか、心理的節目の1300ドルを突破し、上昇に弾みが付いた。金先物は昨年末と比べて13.7%上げ、年間の上げ幅は10年以来7年ぶりの大きさだった。
銀は5日続伸。プラチナは続伸した。