豪華寝台列車 最上級客室は1両貸し切り JR西、富裕層に的
西日本旅客鉄道(JR西日本)は24日、豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」の最上級客室「ザ・スイート」を報道陣に公開した。寝室のほか、バスタブ付きの浴室やリビングを備える。室内には岡山県の「備前焼花入」など沿線地域の工芸品をあしらう。1両丸ごと貸し切りの寝台列車は珍しく、高級感を打ち出して富裕層の需要を取り込む。
6月17日から運行する瑞風は10両編成で7号車がザ・スイートとなる。広さは約35平方メートル。ドアを開けるとうさぎをモチーフにした銀色の彫刻が出迎える。入り口付近には窓が開閉できるバルコニーもあり、風や空気を感じながら沿線の景色を楽しめる。
内装には山陰・山陽地域にちなんだものをそろえた。リビングの中心には島根県特産の石州和紙を使った照明器具があり、大きな窓から日本海や瀬戸内海の雄大な景色を楽しめる。寝室はモノクロ写真6点を飾り、レトロで懐かしい空間に仕上げた。浴室の床には大理石を使い高級感を演出。他の部屋にはないバスタブも付いている。
ザ・スイートの価格は1泊2日コースの場合1人75万円から。2泊3日コースは120万円からとなる。1泊2日コースで最も安いのはロイヤルツインで1人27万円から、ロイヤルシングルは33万円から。ザ・スイートの初回の予約倍率は最大68倍に上り、6~9月出発分は完売したという。
瑞風は大阪駅、京都駅と下関駅を山陽・山陰を経由して結ぶ。城崎温泉や出雲などの沿線の観光地にも途中立ち寄る。
(大阪経済部 加藤彰介)