タクシー初乗り410円、「ちょい乗り」需要開拓
都内できょうから
東京都内で30日、「初乗り410円」のタクシーが走り始めた。午前0時以降に出庫した車両から、2キロメートル730円だった初乗り運賃を1.052キロメートル410円に引き下げた。30日は新旧の運賃のタクシーが混在する。短距離の利用拡大につながる運賃体系とすることで日々の買い物や通院などでの「ちょい乗り」需要の掘り起こしを狙う。
東京23区と武蔵野市、三鷹市のタクシーが新しい運賃に移行した。東京のタクシーの初乗り距離の変更は約80年ぶり。380~410円の範囲で設定できる初乗り運賃は個人タクシーを含むほとんどの車両が410円とした。初乗り後の加算もこれまでの280メートルごとに90円から237メートルごとに80円に変更。従来の運賃より約1.7キロメートルまでは値下げとなり、約6.5キロメートル以上では値上げになる。
タクシー業界は初乗り運賃の引き下げで短距離の乗車回数を増やし、輸送人員の減少に歯止めをかける考え。30日、新橋駅(東京・港)から出勤のためにタクシーを利用した50代の会社員女性が支払った運賃は570円。従来の初乗り運賃に比べると出費が抑えられたことから「今後はタクシーを使う頻度が増えると思う」と話した。
大手の日本交通の赤羽営業所(東京・北)では保有するタクシー200台について、29日から順次、メーター変更や運賃表示ステッカーの貼り替えを実施。「初乗り410円タクシー」は30日午前6時前に1台目が出発した。赤羽営業所では30日午後に営業するすべてのタクシーが新しい運賃になる。
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