16年の百貨店売上高、36年ぶり6兆円割れ
日本百貨店協会が20日発表した2016年12月の全国百貨店売上高は6942億円(全店ベース)だった。既存店ベースでは前年同月比で1.7%減り、10カ月連続で前年実績を下回った。年末が長期連休を取りづらい日並びで、客数が前年を割り込んだことでこの時期にシェアが高まる傾向がある食料品が苦戦した。一方で円安の進行に伴い訪日外国人(インバウンド)消費は9カ月ぶりに前年を上回った。
商品別では、主力の衣料品が3.3%減少した。食料品は1.8%減。一方、化粧品が好調な雑貨は2.0%増とプラスに転じた。株高や円安が進んだ結果、美術品や貴金属など高額品の消費が国内とインバウンドともにやや回復傾向にあることも寄与した。
訪日客向けの免税売上高は約192億円と8.3%増加した。円安の進行が寄与し9カ月ぶりに前年実績を上回った。単月としては15年4月(約197億円)に次いで2番目となる高水準を記録した。免税手続きカウンターの来店国・地域別順位は1位が中国、2位が香港、3位が台湾、4位が韓国だった。
16年12月の東京地区の百貨店売上高は全店ベースで1816億円だった。既存店ベースでは1.0%減と、5カ月連続で落ち込んだ。
16年通年の全国百貨店売上高は5兆9780億円(全店ベース)。前年比では既存店ベースで2.9%減となり2年連続で前年実績を下回った。6兆円割れは1980年(5兆7225億円)以降36年ぶり。
1月の全国売上高は、17日時点で1%程度のプラスで推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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