トランプ氏「楽しみ」 米大統領就任式、参加者続々集まる
【ワシントン=鳳山太成】20日のトランプ次期米大統領の就任式を目前に控え、首都ワシントンに式典の参加者らが続々と集まってきている。人口60万人超の首都に最大90万人の参加が見込まれる。米国社会を分断した新大統領のお披露目には過去最大規模のデモも計画されており、警備当局が準備を急いでいる。
トランプ氏は18日、ワシントンを訪れ、ペンス次期副大統領の夕食会などに出席した。自宅のあるニューヨークに戻り、19日に改めてワシントンに入って就任記念コンサートなどの公式行事をこなす予定。ツイッターで就任演説の原稿を書く自身の写真を公開し「金曜日(20日)が楽しみだ」と投稿した。
朝から気温が上がった18日のワシントン中心部には就任式を見るために集まった支持者や抗議デモに参加する人たちであふれた。ホワイトハウス近くの土産物屋には「トランプ・グッズ」を買い求めるスーツケースを引いた家族連れらでごった返した。
警察犬を連れた大統領警護隊らが、就任式が開かれる連邦議会議事堂やホワイトハウスの周辺を警備した。就任式後に新大統領らがパレードする議事堂からホワイトハウスまでのペンシルベニア通りには観客席となるひな壇が設けられた。通り沿いにあるトランプ氏の「トランプ・インターナショナル・ホテル」周辺はフェンスが建てられ、立ち入りが制限された。
就任式2日前から公式行事が始まったオバマ大統領の2009年就任時と比べると、今回は大規模な交通規制や厳戒態勢は前日からの予定。18日に小規模な抗議デモが開かれたが、大きな混乱は起きていない。
就任式に伴い「支持」と「抗議」を合わせて過去最大の約100団体がデモを計画している。警備当局は2万8000人の兵士らを投入して、デモ隊の衝突やテロの阻止に全力を挙げる。
約60人の民主党議員が就任式へのボイコットを表明しているほか、新大統領就任を祝うコンサートでも大物歌手の辞退が相次いでいる。