九州豪雨1カ月、被害1500億円近く なお500人超避難
福岡、大分両県で甚大な被害が出た九州北部豪雨は、5日で発生1カ月を迎えた。両県の被害額は判明分だけで1500億円近くに上る。死者は36人、5人が行方不明。なお500人超が避難生活を送る。接近する台風5号による二次災害の恐れもあり、両県は厳重な警戒を呼び掛けている。
被害が大きかった福岡県朝倉市では同日午前、住民らが黙とうをささげ、犠牲者の冥福を祈った。
福岡県の被害額は1197億円と、死者30人を出した5年前の九州北部豪雨の2倍を超えた。河川(409億円)や道路(275億円)、砂防施設(89億円)などインフラ関連が6割超。作物の被害や農・林道など農林水産関連(288億円)でも大きな被害が出た。大分県の被害も約288億円に達した。
被災地では復旧が進まず詳細な調査ができていない地区があり、被害額は今後膨らむ可能性がある。
朝倉市などで建設中の応急仮設住宅への入居は今月中旬以降になる予定。土砂や流木が復旧作業を阻み、生活再建の遅れも懸念されている。