「核心」習氏が手にした如意棒と隠れた妥協
編集委員 中沢克二
「今回、習近平(総書記)は全共産党の『核心』の位置を自ら勝ち取り、文書に明記した。これは1945年に毛沢東が全党の指導者の地位を勝ち取ったのと似ている」「事実上、これまでの集団指導制、トロイカ体制を捨てることにつながる重大な決定だ」――。
中国共産党は先の第18期中央委員会第6回全体会議(6中全会)の文書で、党総書記(国家主席)の習近平を別格の指導者を指す「核心」と位置付けた。その直後に北京の政...
経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。