韓国産業相、TPP参加に意欲 経団連との会談で
【ソウル=加藤宏一】韓国の周亨煥(チュ・ヒョンファン)産業通商資源相は10日、韓国訪問中の経団連の榊原定征会長らと会談した。経団連によると、周氏は韓国が参加の是非を巡って関係国と協議中の環太平洋経済連携協定(TPP)について「近く公式に参加を決める予定なので、その際は日本の経済界や政府の協力をお願いしたい」と参加に意欲を示した。
韓国は2013年11月にTPP参加の是非を巡る協議入りを表明し、参加12カ国と2国間協議を進めてきた。韓国の担当閣僚が参加に前向きな姿勢を示したのは初めて。同省の通商担当幹部は「韓国政府は米国など各参加国のTPP批准の動きを見ながら、国内手続きを進めてから発表することになる」と述べた。
韓国は現在、米国や中国など52カ国・地域と2国間の自由貿易協定(FTA)を締結しており、自由貿易圏づくりでは日本に先行している。ただ、TPPが発効すれば、参加国同士でサプライチェーンを構築する動きが広がって主要な部品の需要を日本企業に奪われかねないと危機感を強めている。