中国公船が操る漁船230隻と習近平氏の狙い
編集委員 中沢克二
中国海警局の公船と中国漁船が軌を一にして尖閣諸島の領海に侵入した。同時進入は歴史的にも初めての事態だ。接続水域には230隻もの中国漁船が集結。一時は15隻の公船が領海と接続水域にいた。その一部は機関砲に似た武器を搭載している。意図的に緊張をつくり出す異常な行為だ。
特に230隻の中国漁船というのは驚くべき数である。中国当局の明確な指示がなければできない"集団行動"と言ってよい。
「意図は3つだ。
経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。