米石油掘削設備、3週連続増 シェール回復
【ニューヨーク=稲井創一】米石油サービス会社のベーカー・ヒューズが15日に発表した石油掘削設備(リグ)の米国内での稼働数が前週末に比べ6基増の357基となった。増加は3週連続。原油価格の回復基調で一部のシェール企業が掘削活動を再開している。
米リグ数は2016年5月27日時点の316基を底に回復基調にある。原油先物価格の指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート、期近物)が2月につけた1バレル20ドル台から一時50ドル前後まで回復したことから、コスト競争力のある油井を持つシェール企業が中断していた原油の開発・生産を再び強化しているようだ。
ただWTIは15日に45.95ドルで引けるなど、足元では回復の勢いがやや鈍化している。夏休みシーズンの米ガソリン需要が想定より鈍いとの見方が出ており、米原油在庫も高止まりしているからだ。
米エネルギー情報局(EIA)によると、今月8日の米原油生産が日量848万バレルと前の週に比べ増加するなど、米原油生産の減少傾向に一服感もある。掘削再開の傾向が続き一部シェール企業の原油生産がさらに増えれば、原油相場の上値がさらに重くなる可能性がある。
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