ソフトバンク宮内社長、料金値下げ「微修正で対応」
ソフトバンクは8日、2019年3月期の決算会見を開いた。宮内謙社長は通信料金と端末代金を分ける「分離プラン」の導入に伴う値下げに関連して「微修正で対応できる」と述べ、現在の料金プランを大きく変えない方針を示した。主な一問一答は次の通り。
――20年3月期の業績予想で、子会社化するヤフーを除いた従来のソフトバンクの部分の業績が伸び悩む理由は何か。
「ソフトバンク部分の営業利益は7400億~7500億円の間で堅めに見ている。伸びは緩やかながらも堅実に利益を伸ばしていく。利益の伸びについては様々な状況を考慮に入れている」
――堅めに見ているということは、競合の動きによっては大幅な値下げの可能性もあるのか。
「3年前から苦労しながら格安プランをやってきた。(端末と通信契約のセット割引を禁止する改正電気通信事業法が施行される見通しの)秋にならないと分からない面もあるが、今の状況を見る限り、微修正で対応できると思っている。今でも十分安い。(ワイモバイル、LINEモバイルを含む)3つのブランドをうまく使っている理由はそこにある」
――分離プランや秋に控える楽天の新規参入にどう対応していくか。
「ソフトバンクは昨年9月から分離プランを実施している。ワイモバイルについても上半期中には分離プランを出す。楽天の料金がどうなるかは分からないが、(自社で回線を持たない)仮想移動体通信事業者(MVNO)の現在の楽天の料金で出てくるなら大きく変更する必要はないと思う」
――今後は次世代通信規格「5G」の投資もあるが、収益の見通しは。
「5Gによって通信インフラの環境は大きく変わる。5Gは拡張現実(AR)などを活用した産業向けが主な用途と言われるが、米グーグルやアップルが5Gをにらんでゲームの新たなサービスを公開しているように、消費者向けでも大きなチャンスが見込まれる。21年には全国で90%以上のカバー率を達成したい」
――ヤフーとソフトバンクは現段階でどんな相乗効果があるのか。
「(ソフトバンクユーザーに)『ヤフープレミアム』の特典をつけたところ効果は大きく、ヤフーの電子商取引(EC)はぐっと伸びた。逆にヤフーがソフトバンクのスマホユーザーを獲得した面もある。(今後の相乗効果は)フィンテックやビッグデータの分野が特に大きくなっていく」