西鉄の観光列車、「料理」前面に 女性の心くすぐる
西日本鉄道が2019年春に運行を始める初の観光列車は、「料理」を前面に打ち出す。キッチンを車両の名称に取り入れ、外観もキッチンクロスをイメージした赤いチェック柄に。地元の食材を車内で調理して提供するなど、女性の心をくすぐる工夫を凝らす。
同社は25日の記者会見で、名称を「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」にすると発表した。座席数は52席とし、3両編成の2両目には窯を中心とした大型のオープンキッチンを設置。火は使えないが、天神大牟田線が走る福岡県南部の筑後地方の野菜や果物などを調理して提供する。西鉄としては初めてトイレ付きの車両にする。車両投資額は約5億円。
ターゲットは主に地域に住む女性だ。内装は地域の伝統工芸などをふんだんにあしらう。天井には八女の竹を手編みした竹細工を飾る。久留米籃胎(らんたい)漆器の技術を生かして不燃化を施す。壁面などは久留米の城島瓦、客席の机といすは大川家具とする。
提供する料理やダイヤは4月に明らかにする。料金は9月に発表するが「リーズナブルな値段設定になる」(倉富純男社長)見込み。
同日、開発を指揮する事業創造本部の吉中美保子課長は名称を英語表記にしたことについて「筑後の新しい魅力を発信するという印象をもってもらいたい。訪日客に伝わりやすくする意味もある」と説明した。倉富社長は「なかなか鉄道に乗ってもらえない時代のなか、天神大牟田線を知ってもらうことが目的だ」と述べた。