徳洲会事務総長、逮捕組長と「知人」 臓器売買への関与は否定
生体腎移植を巡る臓器売買事件で、移植手術が実施された宇和島徳洲会病院が所属する徳洲会グループ東京本部の能宗克行事務総長は17日、東京都内で記者会見し、仲介役の住吉会系暴力団組長、坂巻松男容疑者(70)を15年ほど前から知っていたことを明らかにした。ただ医師、堀内利信容疑者(55)の移植手術のあっせんは「頼まれていない」と話し、組織的な臓器売買への関与もないと強調した。
会見での説明によると、能宗氏は同グループが台湾で病院開設を計画した14~15年前、坂巻容疑者から台湾の病院のM&A(合併・買収)を提案され、初めて会った。同容疑者はその後も数カ月に1度ほど東京本部を訪れたが、ビジネス上の関係は「なかった」と強調した。
能宗氏は3年ほど前に坂巻容疑者が暴力団関係者と知ったが、グループ内で情報は共有しなかった。坂巻容疑者から「知人が腎移植を受けたい」と相談を受けた同グループの事務次長も暴力団関係者と認識せず、「移植なら宇和島徳洲会がいいと機械的に紹介した」と説明した。
会見には執刀医の一人、松本秀一朗医師も同席し、警視庁の事情聴取を受けたことを明らかにしたが、「暴力団の関与や臓器売買を知っていれば手術することはない」と強調した。