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英蘭シェル、カナダでのLNG投資決定を延期

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【フランクフルト=加藤貴行】英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは12日、カナダ西海岸で進める大型の液化天然ガス(LNG)輸出事業の最終的な投資決定の時期を、従来計画の2016年末から遅らせると発表した。新たな決定時期は未定。同事業には三菱商事と中韓のエネルギー大手も参画し、アジア向けの有力なLNG供給源として期待されている。原油安のあおりを受け、さらに収益性を見極める。

21年に予定していた生産開始についても後ろ倒しになる可能性がある。

対象事業の「LNGカナダ」は、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州からLNGを輸出する計画。同事業のLNG供給能力は年1300万トンと、15年の世界の取引量の5%、日韓中の合計輸入量の1割弱にあたる巨大事業だ。50%出資のシェルが主導し、三菱商事が15%、中国石油天然気集団(CNPC)が20%、韓国ガス公社が15%出資する。

アジアのLNG取引の多くは原油価格に連動し、長引く原油安で新規事業の立ち上げには逆風が吹く。一方で、プラントや関連サービスなどにも価格下落圧力がかかっており、シェルは投資を急がずコスト削減の可能性を探る。

シェルは6月、20年までの毎年の総投資額を最大で年300億ドル(約3兆900億円)と、14年実績から3割以上抑える緊縮策を打ち出した。買収した旧英BGグループのカナダのLNG事業は16年の建設開始を延期するなど、投資の先送りを決めている。

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