開発投資の重要性で一致 G20エネルギー相会合
【北京=原田逸策】20カ国・地域(G20)エネルギー相会合は30日、石油や天然ガスなどの資源開発に投資を続けることの重要性を盛り込んだ共同声明を採択して閉幕した。原子力を「温暖化ガス削減に貢献する」と前向きに評価する文言も新たに盛り込んだ。
29、30日と中国・北京で開いた。昨年のトルコ・イスタンブールでの開催に続いて2回目。中国国家エネルギー局の李凡英副局長は閉幕後の記者会見で「G20は世界のエネルギー協力でますます重要で建設的な役割を果たしている」と述べた。日本からは高木陽介経産副大臣が出席した。
声明は「価格の急騰を回避するため、エネルギー開発への継続した投資が極めて重要」と指摘した。原油価格の下落で足元の開発投資は2年連続で減ったが、将来は新興国の経済成長や人口増加でエネルギーの需要拡大が見込まれるからだ。
昨年の共同声明には原子力の記述はほぼなかったが、今年は原子力だけの項目をつくった。昨年末に新たな国際的な温暖化対策のパリ協定が採択されたことや、議長国の中国が原子力を推進していることが背景にある。
声明にはほかに省エネルギーの推進、化石燃料補助金の削減、アフリカやアジアで電気を使えない人を減らす協力、エネルギー市場の透明性向上――なども盛り込んだ。高木副大臣は記者団に「『原油価格は安定することが重要』と私から述べ、かなり共通認識を持てた」と語った。
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