アジア投資銀、24カ国が参加意向 北京で初の年次総会
【北京=原田逸策】中国が主導して1月に開業したアジアインフラ投資銀行(AIIB)は25日午前、初めての年次総会を北京で開いた。金立群総裁は2017年初めに新たな加盟国を迎える方針を表明した。米国を中心とする金融秩序に挑む形で発足したAIIBは本格的な運営が試される段階に入る。
開幕式に出席した中国の張高麗副首相は「AIIBは他の国際機関と協力を強めていくのが重要だ。国際機関の規則に基づき、運営の透明性を高めていく」と述べた。
AIIBには現在、中国、英国、ドイツ、インドなど57カ国が加盟するが、開幕式で金氏は24カ国が参加の意向をAIIBに伝えていると明らかにした。金氏は9月末までに加盟を申請すれば来年初めには認める意向を示した。参加を見送っている米国や日本にも引き続き参加を呼びかけるとみられる。
年次総会ではAIIBが24日に決定した第1号案件も報告される。バングラデシュの送電線事業への単独融資など計4件・5億900万ドル(約520億円)となる。アジア開発銀行(ADB)、世界銀行、欧州復興開発銀行(EBRD)それぞれとの計3件の協調融資も盛り込み、既存の国際金融機関と対立しない姿勢もみせた。
年次総会は26日まで。中国の楼継偉財政相ら加盟57カ国の財務相やADBなど他の国際金融機関の幹部らが参加した。
AIIBは中国の習近平国家主席が13年10月に創設を提唱してからわずか2年余りで実現にこぎ着けた。中国は資本金1千億ドルのうち3割を負担し、議決権の約26%をにぎる。
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