マレーシア、インドネシアに電力輸出
■マレーシア政府 同国サラワク州からインドネシア西カリマンタン州へ7万キロワットの電力を輸出したと発表した。東南アジア諸国連合(ASEAN)パワーグリッド(APG)計画の一環で、同国の電力輸出は初めて。
このプロジェクトは、ボルネオ島(インドネシア名はカリマンタン島)北部のマレーシア・サラワク州マムボンからインドネシア・西カリマンタン州ベンカヤンまで、マレーシア国営のサラワク電力供給公社が運営する47キロメートルの送電線を使って、約8000世帯に電力を供給する。プロジェクトにはアジア開発銀行が資金を提供した。
西カリマンタン州では、インドネシアの国営電力会社PLNが石油火力発電所を操業しているが、マレーシアから余剰電力を購入することで年間1億ドル(約109億円)の燃料費を節約できる見通しだという。
一方、サラワク電力供給公社は最近、インドネシアの北カリマンタン州政府と発電事業の可能性を検討することで基本合意した。同社は現在約200万キロワットの発電能力を持つ。
APG計画はASEAN域内の電力インフラ強化がねらい。この計画には60億ドルが投じられ、15のプロジェクトの実施が決まっている。(クアラルンプール=CK・タン)