EV接近音、国連が安全基準案採択 ガソリン車並み音量に
【ジュネーブ=共同】走行音が静かな電気自動車(EV)などの接近を歩行者に音で知らせる「車両接近通報装置」について、国連は9日、ジュネーブの国連欧州本部で協議を行い、ガソリン車並みの音量を義務付けることを柱とした安全基準案を採択した。
採択を受け、国土交通省は2018年にも、日本国内のEVやハイブリッド車(HV)、燃料電池車の新型車に国際規則を踏まえた保安基準を適用する。現在販売されている新車にも通報装置が標準装備されているが、国交省は国連基準より厳しくする可能性もあるという。
通報装置に関する話し合いは「国連自動車基準調和世界フォーラム」が実施。特に高齢者や子どもの安全対策を強化する。通報装置の基準は、日本のメーカーの技術を基に策定された。
通報装置の人工音は発進時から時速20キロまで発する。原則として時速10キロでの走行時に50~75デシベル、20キロでは56~75デシベル、バックの際には47デシベル以上の音量にして、歩行者らが気付くようにする。
一般的にガソリン車はアイドリングの状態でも50デシベル前後の騒音が出ているとされ、人工的な音もそのレベルに合わせた。時速20キロを超えると、EVでも55デシベル以上の騒音が出るという。