戦争画の時代に迫る
藤田嗣治「アッツ島玉砕」に光
戦時中、軍の作戦遂行シーンや戦闘中の兵士の姿を画家が描いた絵は、「戦争画」、あるいは「戦争記録画」と呼ばれる。藤田嗣治、宮本三郎、小磯良平、向井潤吉ら著名な画家が、多くの戦争画を描いたが、その全容は長い間、美術史の表舞台に上がることなく、ベールに覆われていた。
平山周吉『戦争画リターンズ』(芸術新聞社)は、一連の戦争画の中でもインパクトの強い藤田嗣治の大作「アッツ島玉砕」の誕生とその反響について...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り767文字