中国船舶工業集団、LNG船建造し輸出
■中国船舶工業集団(中国国有造船大手)傘下の中船集団滬東中華造船が液化天然ガス(LNG)運搬船を建造し、借り主となる米石油大手エクソンモービルに引き渡す。中国企業が建造したLNG船を輸出するのは初めてという。
9日付の上海紙「解放日報」が伝えた。8日に上海市郊外の長江に浮かぶ長興島の埠頭で命名式典が開かれ、「パプア」と名付けられた。エクソンモービルがパプアニューギニアで生産するLNGを中国に運搬するのに使う。
韓国や日本の造船大手は高い建造技術が求められるLNG船の受注に力を入れている。ただ、今回、海外に輸出するLNG船が完成したことは中国勢の技術水準の高まりを示しており、今後の受注競争にも影響が出てきそうだ。
中国は環境負荷の低い天然ガスの利用を今後積極化する方針で、2020年に年6000万トンのLNGを輸入する見込み。その時点で必要なLNG船は50隻という。現在、中国がLNG輸入に活用している運搬船は6隻だけで、今後、中国製LNG船の調達が加速しそうだ。(上海=菅原透)